キミと一緒の 秋を迎えに
      〜かぐわしきは 君の… 4

    “天使たちには内緒だってばvv”



まだ含羞みの強いキミ、
それでも吐息を分け合えるようになったよね。
キスしてから、唇がすべって、
ふわふかな頬をついばめば、
ひうと首をすくめるところがまた可愛い。
桜色の頬へ指をすべらせて、
しどけなくもほどけた深色の髪を払ってあげつつ、

 「ブッダって、
  唇もほっぺも首条も手も、
  すべすべもちもちで、やわらかくて好き〜vv」

腕の輪を狭め、ぎゅむと衒いなく抱き着く屈託のなさは
無邪気と言っていいほどに罪がない彼だけど。
あごや唇にまとう黒々したお髭や、
背中までをおおう不揃いな髪のワイルドさとそれから、

 「イエスこそ、
  肩とか腕とか背中も胸板も、
  堅くて頼もしくて男臭くてカッコいいよvv」

手だって、指は長いのにそれでも何か筋ばってて男らしいし、と。
含羞みつつも言いたいことは言いますという、
しっかり者の如来様が、
彼の側からも きゅうんと相手へ頬寄せる睦まじさよ。
いつもの六畳間、卓袱台の上には新聞に挟まってたチラシとそれから、
町内会の今月の催しを刷ったプリントと。
流星を観る会への参加の話が…どこをどうこじれたらそうなるか、
間近に煌く、星の如きキミへの賛歌へ転じたらしく。
好き好き好き〜っとハグして来たイエスだったのへ、
負けじとばかり(なんで?)
ブッダ様もノリよく頑張ってしまったらしいのだが。

 「私たちって、無い物ねだりなのかなぁ。」

お互いの似つかぬところばかりを讃えてしまうのは、
詰まるところそういうことかしらと。
ヨシュア様が小首を傾げる。
自分にないものが好きなのかなぁと単純に感じたようだが、それへは、

 「う〜ん。でも私、イエスにはこのままでいてほしいな。」

今、そこがいいのだと賛美したばかりでしょと、
矛盾した方向へ転げてしまいかかる想い人へ
ほどけた髪を肩の向こうへと追いやりつつ
そんな仕草も罪なほどしどけない如来様が やんわり諭せば、

 「えー? ふわふわもちもちはダメ?」

そこを否定されるのはと言い返しかけ、だが、

 「あ、でも、私もブッダには今のままでいてほしいものね。」

やっとのこと、
その好みとやらが自分へは向いちゃいかんという点へも気づいたようで。

 「ふわふかでぎゅって抱いたら心地いいし、
  いい匂いするし。
  恥ずかしくなったら、くふんて甘えるお声も聞けるし。
  そのまま俯いちゃうのが、可愛くて可愛くてvv」

先程の大いなる主張へ更に盛った言いようを、
それは嬉しそうに重ねたヨシュア様。
大好きなブッダのことなら幾らでも讃えられるものvvと
鼻高々に言いたげで。
そんなテンションのまんま、

 「ねえ、ブッダは? 私の、特にどこが残っていれば良い?」
 「……っ。///// えと、あの…それは。////」

さては先程の発露が限界だったかな?
それとも、ねえねえと再び擦り寄って来た
イエス様そのものの魅惑にクラクラしちゃったか?
頑張れ、頑張るんだ、シッダールタせんせえっ。
表現力の止揚までっ。





   〜Fine〜  13.10.03


   ウチのブッダ様は、
   イエス様への天然爆弾をバカスカ落としてくれますが、
   自爆率も案外と高いほうだと思われます。(笑)

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